加速
俊夫はニットを乱暴にたくし上げた。
「いやぁっ!」
「大丈夫だから、大丈夫だから。心配しなくていいから」
なだめながら、乳房をつかんだ。温かい。そして、異様に柔らかい。
女のおっぱいは、20中盤頃からどんどん柔らかくなっていく。風俗やおっぱいパブで20前の女の乳房を何度かたしなんだことがあるが、あれはだめだ。張りがありすぎる。触り心地はイマイチだ。反発をされているみたいで好きじゃない。
だが、美里さんの乳房は俊夫の手の動きに合わせて自由に形を変える。天にも昇る触り心地だった。
揉んだ。何度も揉んだ。強くつかんだり、柔かく包み込んだりしながら左右のふくらみを、乳首の固さを、堪能した。
「んっ、く……」
我慢しても漏れ出る声が、一番男の欲情をかり立てる。そのことを女は、分かっているのだろうか。
このままいつまでも揉んでいられたが、右腕を下にしているせいで、しびれてきた。それに乳房を口に含みたかった。
「美里さん、乳首が立ってるな。気持ちいいか?」
「ち、違いますっ! これは――」
言い終わるか終わらないか、というタイミングで俊夫は、ぐっと美里さんの肩を引き寄せ、仰向けにさせた。
「いゃぁっ!」
そしてすぐさま馬乗りになった。この段になると暗がりにずいぶん目が慣れていた。目の前で波打つふくらみが2つ。それぞれに備わった乳首は存在を主張するように、ツンと天を向いていた。
「お願いです、もう、許して……ください……」
「許す?」
違う。これは許すとか許さないの問題ではない。急に怒りが込み上げてきた。こんなに美里さんを求めているのに、そんな言葉を使って欲しくなかった。
「美里さんは、バカ息子を愛してるのか?」
「もちろんです……」
「だったらどうして! あの若い男とキスなんてしたんだ!」
叫ぶなり、俊夫は美里さんの乳房を両手で思いっきりつかみ、そしてむしゃぶりついた。
「だめぇっ!」
向かって右側の乳首を舌先で転がした。少し汗の味がした。歯を当てたら、
「はぁんっ!」
美里さんの体がはじけた。そのまま吸い上げた。
「あっ、いやっ! お願いっ!」
もう片方の乳房を、左手で闇雲に揉みしだき、人差し指で乳首を転がして、そしてはじいた。
「んあっ、お義父さんっっ!」
俺を受け入れろ。俊夫は思った。
そろそろ受け入れて、ふたりで長い夜を楽しもう。そんな思いを込めて、両の乳房を責め続けた。たわんだり、ゆがんだり、指の隙間からこぼれたり、無秩序に形を変える様子を見ている至福。
しかし、どんなに乳房が魅力的であっても、男にとってそこが最終目的地点になることはない。俊夫は、ある程度ふくらみを堪能した後、右手を美里さんの下半身へと滑らせた。
嫉妬
下はスカートだった。ストッキングも穿いていた。
頭も肉棒も熱い血潮で沸騰しそうな俊夫にとって、それは邪魔な布キレでしかなかった。
そして。
あまりに嫌がる美里さんを見ているうちに、獰猛な気持ちが湧き上がっていた。
逃げまどうウサギを追いつめる狼はきっと、こんな風に血をたぎらせるに違いない。
俊夫は起き上がりスカートを脱がせようとしたが、焦りと彼女の抵抗のせいで上手くいかなかった。
すぐにあきらめた。
幸い丈の短いスカートだったから、無理に脱がせなくても事は済む。
ストッキングは黒だった。その下に白っぽいパンティーが透けて見える。早く美里さんの熟れた果肉を拝みたい。その一心でストッキングを破いた。
「ヤっ、イヤぁぁっ!」
抵抗を見せる美里さんだったが、老いてきたとはいえ俊夫も男だ。彼女の細腕が興奮した俊夫の力を上回ることはない。
ビリビリと小気味よい音を立てて、ストッキングは散り散りに破け去った。
「お願いしますお願いします! どうか助けてください!」
「許すとか助けるとか、いい加減に観念したらどうだ!」
白いパンティのムッチリした盛り上がり。それが目に突き刺さり、めまいを覚えた。
男を狂わせる名器の予感。タマシイが震えた。
バカ息子は!
何度この果肉に顔を埋め、突き刺し、つらぬいたのだろうか!
嫉妬心が俊夫をさらに獰猛にさせた。
彼女の下半身からパンティを乱暴に引き抜いた。
「ダメぇぇぇぇっ!」
そこまで拒絶するなら勝手にすればいい。
せっかくふたりの夜を愛し合って楽しむつもりだったのに。
――アンタがどんなに叫んでも誰も助けにはこないさ。
俊夫は憤慨しながら、美里さんの足を強引に広げ、彼女の中心に顔を近づけた。
いきなり酸味の効いた匂いが鼻先をかすめる。
熟れた果肉はかすかに光沢を帯びていた。
「……おっ、美里さん。てっきり干からびてるかと思ったが……」
「離してください! 離してぇっっ!」
彼女は足を閉じようと懸命に力を入れていた。
それならば、と俊夫は彼女の足を広げていた両手を離した。
すると彼女の両太ももは俊夫の顔を挟んだ。
挟んだのだ!
美里さんのムチムチした太ももが!
俺の顔を!
目の前にはいやらしくテカった果肉だけ。
俊夫は舌を伸ばし、彼女の愛らしい豆粒を固く尖らせた舌先で、触れるか触れないかという微妙さで触れた。
「はぁんっっ!」
美里さんの体が大きく跳ね、俊夫の顔をさらに強く挟む。
内転筋、というやつだろうか。
太ももの内側に人が入れられる力には限界がある。美里さんのそれはイタズラに肉感を増幅させ、俊夫の欲情をかり立てたるばかりであった。
「そうかそうか。美里さんは、こうされるのが好きか」
やはり触れるか触れないかの強さで舌先を豆粒に添えた。
「はぁっ、あぁっ!」
ただでさえ敏感な豆粒は強く刺激すればいいってものではない。微妙な加減で女の想像力を増幅させれば、焦れも手伝って感度は上昇する。
豆粒を、びらびらのヒダを、俊夫は決して強く舐めることはしなかった。息を吹きかけたり、時折、ちょん、ちょん、と突く程度である。
「ダメダメ、あっ、ぁはっ、あぁ……はぁっ!」
美里さんの腰はビクビクと震え続け、太ももは俊夫の顔に肉感を与え続けた。
そして――。
美里さんの果肉の奥からは、トロみのある愛の泉があふれ続ける。トロみは垂れ出て、菊紋を濡らした。菊門はとてもいやらしく、エサを求める魚の口のように、ヒクヒクと動いた。その様子を見ていたら頭がカッと熱くなった。
「そろそろ欲しいだろ?」
つぶやいたとたん、俊夫の胸がとくん、と大きく跳ねた。
ついに待ち望んだこの瞬間がやってきたのだ。
「ダメですダメです……」美里さんは嗚咽をもらした。「蒼太さんに合わせる顔がありません……どうか、考え直してください……」
建前、なのだろうと俊夫は理解した。
本当は欲しくてたまらないのだ。
だって愛の泉がこんなにあふれている。
俊夫の口の周りや鼻先に付着したトロみは強い匂いを放っている。
興奮している何よりの証しだ。
俊夫は顔を上げ、ずり上がるようにして美里さんに覆い被さった。
「イヤぁっ!」
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