あらすじ
学生の時から5年間付き合った彼氏に振られてしまったOLの私は、会社のチャラ男と飲み会の後、体の関係を持ってしまう。その翌日、ラブホテルから一緒に通勤すると、チャラ男先輩は私の体を車内でまさぐってくる。ちょっと先輩! ここをどこだと思ってるんですか!
※約2600文字
先輩、それじゃ痴漢です!
クチュクチュ、クチュ……。
裂け目の奥をゆっくりかき回されて、たまらず切ない吐息が漏れた。
「んっ……」
慌てて唇を噛んだけど、それで余計に彼を興奮させてしまったようだ。
「おめーが悪りぃんだからな」
甲に血管の浮き出た大きな手がスーツの中に忍び込んできて、ブラウスの上から乳房を強くつかんだ。
「ちょっと、ここをどこだと思ってるんですかっ……!」
私は小さく抗議の声を上げた。
朝の7時50分。職場へ向かう満員電車の中。
5つ上、29歳の彼は、昨日、酔った勢いで身体を許してしまった職場のチャラい先輩だ。歩くたびにふわふわ揺れる栗色の柔らかい髪を触ってみたいなって、密かに思ってはいた。
「だから、だめ……アッ」
乳房を揉まれながら、よせばいいのに、昨晩のことを思い出してしまう。薄く冷たい唇で何度も何度も色んなところを吸われた。
唇。耳たぶ。うなじ。首筋。鎖骨。腋の下。そして――。
乳首を甘噛みされた瞬間に達しそうになって焦った。まだ挿入されてもいなかったのに。
何とか我慢できたのは、女頃だった私の意地だったのかもしれない。
「もう、次の駅……です……んんっ」
電車が大きく揺れた。先輩の手に、さらに力が加わった。
「んっ、やっ!」
「昨日は楽しかったよな」
「……っ、私のこと、どう思ってるんですか。ただの遊び……ですか」
「おまえはどう思われたい?」
「別にどうでもいい……です。てか、彼氏いるんで……」
嘘だった。学生の時から5年間、付き合っていた彼氏とお別れしたばかりだった。
「おまえ、むかつくな」
先輩の指にブラウスの上から乳首を探り当てられ、身体が弾けるように震えた。
電車は人でごった返すターミナル駅に到着した。
チャラ男先輩からメッセージ
眠たい目をこすりながら午前中の仕事を終えた。血糖値を上げたら午後は確実に落ちるな、これは。
昼食を抜くことに決めて、会議室で少し眠ることにした。
C会議室。10人くらいが入る小さな空間。
人肌に温めたホットミルクを飲み干した。柔らかい陽光が長机の上にコップの影を作った。
速攻で眠気に襲われる。脳みそがとろりと溶け出すような感覚に包まれて、身体中から力が抜けていった。
その時だった。スマホが震えた。
まどろみの中で力なく悪態をつく。
「誰だよ……」
何となくそうだろうな、と思ったけど、まんまと先輩からのメッセージだった。
今どこにいる?
会議室で仮眠とってます。邪魔しないでください
やれやれ。これでは誘っているのと同じことだ。
とはいえ眠いものは眠い。椅子に座ってとろとろしていたら、3分後くらいに部屋のドアがノックもなしに開き、すぐに鍵がかけられた。
まどろみの中で後ろから身体をまさぐられた。先輩の荒い息が耳たぶをくすぐる。制服のボタンを外され、ブラウスも外され、ブラジャーを下にずらされ、弛緩した2つの膨らみが完全に露わになった。
撫でられ、揉まれ、揺さぶられ、自慢のおっぱいがたわんだり、ゆがんだり。
「あんっ!」
先端をつままれ声が出た。
加速度的に。ガツガツになっていくチャラ男先輩。
「時間ねーし、いいよな」と私を椅子から立たせ、黒のストッキングとショーツをヒザのあたりまで雑にさげると、いきなり、本当にいきなり、後ろからヒダをかき分けてきた。
「ひぁっ!」
ひきつった声が出た。奥の奥までしっかりふさがれて、思わずのけぞった。
「ァァッ…、いきなり……!」
チャラ男は優しい
自分本位な腰の動き。優しさも労りもなく、ただ昼休みの間に終わらせようという意思だけで私の中を何度も何度もつらぬいてくる。
酔っていた昨日の夜と違い、先輩はがっちり硬くなっていた。激しい先輩のストロークに合わせて机がキシキシ音を立てた。
「あっ、コップ、落ちちゃうぅ!」
先輩の動きがさらに激しくなって、手で身体を支えるのも難しくなった。机に突っ伏すと、その冷たさがおっぱいを押しつぶした。コップが床に落ちて割れた。
「だめぇ、イク! イクッ!」
「俺もだ! ああ! うっ」
「イヤぁぁぁ!」
大声を上げた次の瞬間、内蔵がギュンッと重くなり、激しい収縮が全身に広がった。先輩の白濁を絞り上げるように。
「ヒィぃぃぃっ!」
痙攣が頭頂部まで達して頭が真っ白になった。初めて経験した凄まじい快感だった。今まで感じてきたオーガズムは、れっきとしたオーガズムではなかったのだと、この時初めて知った。
先輩の乱れた息が糸を引く。私から離れた先輩は、ごめん、と言った。ごめん、もう時間ヤバイ。
先輩はポケットティッシュで私の後始末をしてくれた。打って変わって優しい動きだった。泣けてきた。
「先輩、嘘です……」
「嘘って何だ」
「本当は彼氏いません。この前、振られてしまいました。好きだったのにな……」
急な涙に焦ることもなく、先輩は私を抱き寄せてくれた。私の目が、鼻が、口が、先輩の胸に埋まる。
時間を気にかけてはいたが、先輩は私の頭をずっと撫で続けてくれた。こんな時、チャラい男は役に立つ。軽さが優しい。
「本当に私のことをどう思ってるんですか」
「今朝、言ったろ?」
「聞いてません」
「おまえ、おっぱい大きいな。美乳で巨乳だな」
「サイテー……」
仕事に戻りたくないな、と思った。このまま時間が止まってしまえばいいのに。
昼休みはとうに過ぎてしまったが、先輩は私の頭を撫で続けてくれた。優しく優しく。いつまでもいつまでも。(おわり)
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