あらすじ
立ち飲み屋で2人組のギャルを出来心で盗撮してしまい、それがバレて俺は2人の前でオナニーするよう命令された。警察に通報されたくない一心で、俺は彼女たちの言う通りオナニーを始めるが……
※約4700文字
立ち飲み屋に現われた2人のギャル
「おい、おっさん。さっき撮ったろ?」
その声に首だけで振り返った。背後に2人のギャルが立っていた。やばい、と思ったが逃げ場はなかった。コインパーキングの隅で立ちションをしていたからだ。
「何の、ことでしょうか……?」とぼけてみたら声が引きつった。
「ウチらのこと盗撮したろ? ほら、見せてみろよ」
ボブヘアーに金のメッシュを入れた女が、スマホを出せと俺の肩を叩く。
見せるわけにはいかなかった。女の言う通りだ。確かに俺は彼女たちのことを盗撮した。
ついさっきまでカウンターと丸テーブルが3卓という、小汚い立ち飲み屋で飲んでいた。値段のわりにツマミの味はソコソコで、仕事帰り、たまに立ち寄ることのある店だった。
今日ものれんをくぐり、マグロのぶつと山芋の千切りをツマミに、カウンターで熱燗をチビチビ舐めていた。いい感じに酔っ払った頃、彼女たちが入ってきた。
ボブヘアーと、シルバーに近いロングヘアーの2人。シルバーロングの髪にはパーマがかかっていて、歩くたびに毛先が柔らかく揺れた。
「カンパーイっ!」
彼女たちは奥のテーブル席に陣取り、ジョッキを重ねて小気味よい音を響かせた。キャッキャと騒ぐ彼女たちの声は、野放図に明るい。
「でさでさでさ、その後タカシにキスされちゃってさ」
「マジっすか? やべぇ」
「めちゃ気まずいし。友達の彼氏だし」
「でもタカシさんってイケメンですよね。さすがミキさん、モテモテっすね」
どうやらボブヘアーの名前はミキで、シルバーロングより立場が上らしい。シルバーロングはボブヘアーをしきりに持ち上げていた。
いや、そんなことはどうでもいいのだ。
俺はイラついていた。
ここは立ち飲み屋だ。オジサンたちの聖域だ。ひとり静かに飲みたい気持ちを、若さという傲慢に踏みにじられたような気がした。
上着を脱いだ彼女たちの格好もひどいものだった。若いやつらのファッションはよく分からないから、さらっとスマホで調べた。
ボブヘアーが身に付けているのは、どうもチューブトップというノースリーブの一種らしい。肩ヒモがなく、胸から下を体の線がハッキリ分かる布で包んでいる。そう、着ているのではない。あれは包んでいるのだ。
まるで水着、あるいは下着のようだ。ヘソが見え隠れしている。おまけにスカートが極端に短い。
シルバーロングの女は分かりやすかった。ニットだ。胸元がざっくり開いた黒のVネック。サイズが大きいのはわざとなのだろう。片方の肩が丸出しだった。
まだ小学生の娘が、将来こんな女たちのようにならないことを切に願った。
「やっぱ男は顔っすね」
「金でしょ」
「アソコのデカさも重要っす」
「ギャハハハ! ウケる」
下品に飲んで騒ぎながら、彼女たちが大げさなリアクションをとるたびに、短いスカートの奥にある白い布がチラチラ見えたり、Vネックの胸元がぱっくり開いたりした。乳が揺れる様子までハッキリ見えた。
違う。違うのだ。
俺は欲情したわけではないのだ。こんな女たちの体になど興味はない。同僚に見せて一緒に笑ってやろうと思っただけなのだ。
それで彼女たちにこっそりスマホを向けた。本当に性的な意味はなかった。だが、写真という事実の前では空虚な言い訳にしかならないだろう。
酔いと怒りのせいで、警戒心が足りなかったかもしれない。俺としたことが……。
オナニー指令
「スマホ出せっつってんだろ!」
駐車場の隅で、ボブヘアーに尻を蹴られた。まだ途中だった小便がスーツのズボンにひっかかり、情けなくて泣きそうになった。無理矢理小便を止めようとしたが、それは簡単なことではなかった。
「てかおっさん、なげぇな」シルバーロングが感心したように言う。
「はは、ウケる。頻尿か。とっととヒニョウキカへ行け」ボブヘアーがもう1度俺の尻を蹴った。
頻尿の意味を間違えている、と思った瞬間に鼻の奥がツンとして涙が出た。妻と娘の笑顔が頭に浮かんだのだ。何とか時間を巻き戻せないものだろうか。なぜ盗撮なんてしてしまったのだろうか。
「とりあえず警察呼んどきますか」
シルバーロングが言い、そうだな、とボブヘアーが同意した。
「こいつが小便終わるの待ってたら、夜が明けちまう」
めちゃウケる、と手を叩いて喜ぶ彼女たちに、ごめんなさい、と頭を下げた。声が裏返った。
観念するしかなかった。
盗撮は性犯罪だ。誰も同情なんてしない。仕事も、妻も娘も失いたくなかった。
「ごめんなさい出来心なんです、スマホも出します、バキバキにぶっ壊しちゃってください、謝罪の気持ちです、お金も払います、10万くらいで何とかならないものでしょうか」
小便は止まっていた。ズボンの中へ縮み上がったイチモツをしまい、振り返るなり土下座をした。ロックを解除したスマホも差し出した。
「家庭があるんです、まだ小学生の娘がいるんです、どうか許してください、出来心なんです出来心なんです出来心なんです……」
彼女たちは写真をチェックした後、ブーツで踏みにじって本当にスマホをバキバキに壊した。
「おい、おっさん」ボブヘアーが言った。「おっぱい好きか?」
「はい?」
「答えろ」
「あ、はい。好きです……」
カエデの胸チラばっか撮ってたもんな、とボブヘアーが笑った。シルバーロングの名前はカエデらしい。漢字はとっさに浮かばなかった。
「じゃあ、チ○コ出せ」ボブヘアーがニヤリと頬をつり上げた。「そしてシコれ。おっさんが好きなカエデのおっぱい見ながらシコれ」
「え……?」
「早くしろ。誠意を見せろ。話はそれからだ」
「でも……」
誠意と精子をかけたのだろうか、と思いながら俺はシルバーロングを見た。彼女は笑みを浮かべていた。
バカだ、と内心思った。自分を見てシコれと言われて、どうして笑っていられるのだろう。
だが、俺にシルバーロングを咎める権利はない。そもそもあらゆる権利を有しない。当然拒否権もない。おもむろにイチモツを取りだし、正座したまましごき始めた。
恥ずかしがっている場合じゃなかった。窮地を脱するために、俺は誠意を見せる必要がある。
足コキという快感
「何だよそれ、草むらに隠れたイモムシかよ」ボブヘアーがイチモツに向かって唾を吐きかけてきた。「勃ってねぇじゃん」
見事、唾は先っぽに命中した。
女の唾だと思ったら少し興奮した。
でも、恐怖ですっかり萎縮しているイチモツはイモムシから成長できなかった。
「おら、誠意見せねえなら警察呼ぶぞ」
肩口をボブヘアーに蹴られた。蹴り癖の悪い女だ。怒りが湧いたがグっとこらえる。
「す、すみまんせ…ちょっと萎縮しちゃってるみたいで……」
「カエデ、こいつの好きな胸チラ見せてやれ」
「おお、いいっすね」
何がいいのか全く分からないが、ボブヘアーに命令されたシルバーロングは俺の前でかがみ、黒いニットの胸元を下に引いた。
びろーんと広がったVネックの奥に、重力のせいで血と脂肪と肉が集結して肥大化した乳房が垂れ下がっていた。
盗撮した時には気づかなかったが、信じられないことにノーブラだった。頭がおかしいのではないか。新鮮な2つのチェリーがはっきり見えた。
「お、元気になってきたじゃん」ボブへアーが目を輝かせた。
「うぇっ、キモっ!」シルバーロングが乳房を揺らしながら顔をしかめた。
俺はコスり続けた。
そうするしか道はなかった。しかし、どんなにコスってもなかなか放出の前兆は訪れない。早くこの苦行から逃れたいのに……。
「カエデ、手で手伝ってやれよ」ボブヘアーが唐突に言った。
「いや、それはちょっと。キモすぎなんで……」
シルバーロングはさすがに抵抗したが、ボブヘアーは食い下がった。
「じゃあ、足ならいいじゃん」
「いや、無理っす」
「余ってる皮、つまんでやれよ」
「いやいや、きついっす」
「7万、カエデにやるからさ」
「え?」
「私が5万で、カエデが7万。口止め料の配分。それならいいだろ?」
「アリよりのアリ…ですかね?」
俺から巻き上げる金額が2万増えたが商談は成立したようだ。
シルバーロングは片方のブーツを脱ぎ、ソックスも脱ぎ、裸足になった。
そしてボブヘアーの肩を借りてバランスを取り、イチモツに足を恐る恐る近づけてきた。真っ赤なネイルが目に鮮やかだった。ブーツで蒸れた足はちょっと匂った。
むぎゅ。
「んぎゃっ!」
足の指で余り気味の皮をつままれ、思わず声が出た。
「声出すな、キメーんだよ!」
ボブヘアーにまた肩口を蹴られた。シルバーロングは「シコれ、朝までシコり続けろ」と言いながら皮をつまんだり踏みにじったりしてきた。彼女の足の裏は温かかった。
俺はイチモツをコスり続けた。
許しを得るためにそうする必要があった、という事情ももちろんあるが、さっきまで感じることのできなかった放出の予兆がついに――。
足裏だ。
シルバーロングの足裏が柔らかくてスベスベで、どんなにバカで性格が悪くてもやっぱり女のそれで、自分の手以外の刺激が加わることで快感は100倍増しになった。
おまけにシルバーロングに吐き捨てられた唾のヌメりにカウパーが混ざり、イチモツをコーティングしていた。
もう少しだ、と思った。もう少しで俺は彼女たちに誠意を見せることができる。恥辱と屈辱から解放される。
シルバーロングが親指を裏筋にグリグリ押しつけてきた。ちょっと強い。だが、経験したことのない刺激にイチモツがビクリと跳ねた。
「うぎゃ、マジキモーー!」
キモいキモいと言いながらもシルバーロングはイチモツに刺激を加え続ける。不器用な足による攻撃は時々痛いが、それが実に効果的なアクセントになる。
土踏まずのあたりで段差をコスられると、
「あふぅ…っ!」
うめき声が出るほどの強い刺激に腰が引けてしまう。そんな俺の反応に攻撃的な気持ちを募らせたのか、シルバーロングの足コキは激しさを増した。
皮をつままれる。引っ張られる。裏筋をコスられる。カカトをグリグリ押しつけられる。気がつけば俺は自分でコスるのを止めていた。シルバーロングの足に快感を委ねていた。
強すぎる刺激に踏みにじられる心と体。このタイミングでなぜか妻と娘の笑顔が脳裏によみがえり、同時にシルバーロングの真っ赤な親指のネイルに段差をはじかれ時、ついにその瞬間が訪れた。
「あっ、イク…あぁっ、すみません、あっ、あぁっ!」
やべっ、と言ってシルバーロングがイチモツから離した足を追いかけるように、俺の誠意は爆発した。
「んがっ、あぁっ!!」
もの凄い量の放出だった。感じたことのない快感が勢いを加速させる。シルバーロングの足は俺の白い誠意から、完全に逃れることはできなかった。
ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ、と飛び散る誠意がシルバーロングの素足に降りかかった。
「ヒィィッ! やべぇー! マジキメぇーーー!!!」
「死ぬ! 腐る! 病気になる! 頻尿がうつるぅぅ!」
逃げ惑うシルバーロングとボブヘアーの2人。ではあったが、何だかちょっと楽しそうにも見えた。お化け屋敷のアトラクションになった気分だった。
闇夜に向かって逃げろ!
完全に放出を終え、人心地ついた頃、2人の姿は見えなくなっていた。声もしない。気配もない。興奮し過ぎて、どこかへ行ってしまったようだ。本能に支配された獣のような女たちだ。それならば、彼女たちが戻ってくる前に――。
俺は立ち上がった。コンクリートの上で正座を続けたせいでスネもヒザも痛かったが、さいわい動けないほどしびれてはいなかった。バキバキになったスマホを拾い上げ、俺は夜の闇に向かって走り出した。(おわり)
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