私は濡れてなんかいない!
ピチャ、ピチャ、ジュプ、ヌチュ――。
わざとらしい音を立てて、おじさんがデタラメにアソコを舐め回してくる。
「はぁ、はぁ、結衣ちゃん……結衣ちゃんのいやらしい汁がね、僕のメガネにいっぱいかかっちゃったよ」
「イヤッ! 濡れてなんかない!」
断じてない! そんなはずがない。なのに音がする……。おじさんが舌を動かすたびに、ピチャピチャ音がする……。
「強情だな、結衣ちゃんは。じゃあ指を入れてあげるからね。そうすれば、分かるはずだよ。濡れてるかどうか。濡れてなきゃ、指入んないもんね」
おじさんの指。
今の風貌からは想像もできないが、昔は格闘技をやっていたらしい。鍛えたせいで皮膚は厚く、突き指なんか日常茶飯事で、指の節々がごつくなり、右手の中指は骨折でカギ状になって戻らない。そんな風に自慢されたことがある。
確かに節くれ立った太い指だなって、その時はぼんやり思っていた。
恋人の細く長い繊細な指とは違う。
そんなモノに大事なトコロをかき回されたくない、と思っていたら両脚を思いっきり広げられた。そしてすぐさま、ジュプププという感触と共にゴツゴツしたモノが秘密の入口をかきわけ、膣の中に侵入してきた。
「アッ、はぁんっ!」
思わず体がのけ反った。
ゴツゴツが穴を広げるようにうごめき、強めの刺激が加えられる。前後に動かされる。カギ状の指に搔きむしられるような感覚。
「だ、ダメ! ハンっ、アァ! やっ!」
信じられないことに苦痛以外の声が出てしまった。今まで感じたことのないような快感が全身に広がる。
ダメダメダメ、こんなヤツの指で感じたらダメ。何度も自分に言い聞かせる。
それなのにのカギ状が私の知らなかった場所を探し当て、グリグリ刺激してきて、頭が白くなって、思わず我を忘れてしまった。
「ひぃあっ! アン、ダメ! なっ、そこ、アァッ!」
「ふふ、結衣ちゃんのGスポット見つけちゃった」
「イヤぁぁぁっ!」
「ほら、ここでしょ? 柔らかくなってるんだよね」
グリ。
「ひゃんっ!!」
本当に知らない場所だった。自分で探し当てたことも、恋人に探し当てられたこともなかった。
グリグリ――。
「いやぁっ! イク、イっちゃう!」
失言。無意識とはいえ。おじさんの指の動きが一気に速くなった。
グリグリグリ、ぬちゅ、ぶじゅ――。
「はぁ、いいよ結衣ちゃん。イってもいいよ。いっぱい潮吹いちゃおうね。気持ち良くなっちゃおうね。はぁ、はぁ…」グリグリグリグリ!
「ダメぇぇぇっ!」
次の瞬間、著しい痙攣に全身が襲われた。
出ている。こんなに吹き出しているのが自分でも分かる。
おしっこ?
潮って何?
分からないよ。よく分からないけど女の入口からは噴水のように、液体が吹き出していた。
「あァァァっ、んあっ、ヒィィィっ!」
おじさんが指の動きを止めた。
それなのに私の体は痙攣に包まれたまんまだ。
どうにも体が自由にならなくてベッドの上でビクついていたら、
「結衣ちゃんのアソコ、とろっとろで気持ちよさそう。ふふ」
ニタニタ笑いながらおじさんがおおいかぶさってきた。
チャクチャに乳首を吸われた。そして……
完全に裸にむかれ、おっぱいをもみくちゃにされ、乳首を吸われた。
強く吸われた。
「ハぁっ、アアっ!」
ツンツンになった乳首を舌先で転がされ、たまらず声が出る。
「いいね、いいね、敏感だね」
乳首に歯を当てられた。
「あっ、ひぃぁっ!」
体中にビリビリ電流が走る。
甘噛みした乳首を、おじさんは唇に挟んで引っ張った。
――乳首がのびたらどうしてくれるの!
そう思うのに声にならない。口を開ければ全てがあえぎ声に変わる。
唾液たっぷりの口でその後も何度も何度も乳首を重点的に責めてきたが、そろそろ飽きてきたのか、おじさんは私のアソコにイチモツをあてがった。
ついにヤラれちゃう……。
絶望、失望。
それらはいまだに色濃く私の中に存在してはいたけれど、じょじょに心と体を犯され続け、カギ状の指に激しくかき回されたことで、抵抗する気力がすっかり奪われてしまっていた。
「いくよ、結衣ちゃん」
宣言するなり、おじさんは腰に力を入れた。
圧迫感が一気に強まり、おじさんの汚らわしいモノがトンネルを貫通した。
十分すぎるほど潤った膣は、意に反してソレを受け入れる。ソレは、赤く柔らかい肉の壁を押し開き、容赦なく這い進んできた。
「ハァッ! んあぁっっ!」
いきなり奥に達する。息が止まる。突き動かされるように、私の体は弓なりにのけ反った。
(何なのコレ!)
目で確かめるまでもない。おじさんのソレは異様にデカい。今の恋人にも、前の恋人にも、その前の恋人にも、誰にも到達することのできなかった私の最深部。
「あ、ああっ、気持ちいいよ結衣ちゃん!」
気持ち悪い声を出す、おじさんの腰は止まらない。
「アアっ、んァッ!」
おじさんの恥骨が当たって肉を叩く音がするたびに、電流が走った。
「あんっ、ダメぇぇ!」
重い。おじさんのソレが鉛のような重量感で私を襲う。ズンズンと、重低音が体の中で響いているようだった。
声を出さないように唇をかむ。でもダメだった。
「アッ、やァっ! ちょ、イヤぁぁぁっ!」
1度イカされた体は敏感だった。爆発的な快感の前兆がすでに現われ始めていた。
イク。イカされちゃう。短時間で2回も昇天させられちゃう。心が拒否しても、体がもっともっとと求めてしまう。私のお腹に汗がしたたり落ちてきたけど、そんなことにかまっていられない程私は狂った。
内蔵が震え出す。その震えが全身に広がり始めた瞬間、
「結衣ちゃん!」
ズン。
とびっきり重い一撃。
「ヒィィィィっ!」
頭が白くなり、私は弾け、そして達した。
膣が悲鳴を上げて、おじさんを締め上げた。
「あっ、結衣ちゃん! そんなにキツくしたら! がっ、ああっ!」
おじさんの体がビクン、と大きく震え、汚い液体の放出が始まった。液体が濁流のように流れ込んでくるのが分かる。
私の痙攣も止まらない。おじさんの精液を絞り取るように膣がうごめき続ける。大っ嫌いな男のタネを体の奥に運ぼうとする生体反応が憎い。
「はぁ……はぁ……すごい、結衣ちゃんの体。感じやすいんだね」
じきにおじさんの痙攣が収束していった。どうやら全て出し切ったようだ。
「アっ……」
ツルン、とが引き抜く時に、また声が出てしまった。やがて私の痙攣も少しずつ収まり始めた。
「し、仕事に戻らないとね。また楽しもうね」
おじさんがそそくさと服を着る。満足そうな笑みが広がっていた。
夢ならいいのに。そんな願いを、まだ後を引く快感が否定する。
おじさんは私を残してさっさと部屋を出ていってしまった。
ひどい虚脱感と後悔。
恋人とのえっちな動画を、なぜ不用意にスマホに入れておいたりなんかしたんだろう。
おじさんに「また楽しもう」と言われ、一瞬うずいた自分が悲しかった。
私は中に出された精液を洗い流すために、バスルームへと向かった。(おわり)
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