朝活を終えて
「由奈さん、あと何分?」
「35分」
「濡れてる?」
「触ってみて」
「おいで」
腕を横に伸ばすと、由奈は這い上がってきて俺の腕枕に大人しく収まった。空いている手を彼女の下半身に差し入れて確かめるとすでに泉が湧き出ていた。
「大洪水だな」
「ばか」
俺は体を起こし、彼女の下半身だけを裸にした。これからパートなのだから全てをむいてしまうよりは身支度が簡単だからだ。
ベージュのぴったりしたタートルネックだけが彼女を覆う全てだったが、それはそれで、たわわな果実が2つの山を作る様子はやたらエロい。
何度か山を揉みしだいてから俺も下半身だけ裸になり、彼女の赤い傷口に固く怒張したモノをあてがった。
慌てているのか、飢えすぎているのか、由奈は自ら腰を動かして埋めようとしてくる。俺は腰を引いて意地悪する。
何度か繰り返すと、
「もう時間ないよ~!」由奈は切ない悲鳴を上げ、俺の乳首をつねった。ちょっと痛かった。
俺としてもここまできてのタイムオーバーはごめんだ。拗ねる由奈にいきなり突き刺した。秘肉をかきわけた怒張が深く埋まる。
「アァっ!」
由奈はのけぞり、端正な顔を歪ませる。彼女の声の大きさを知っている俺は、タオルを噛むよう指示を出す。由奈はそれに従う。
「んっ、くふぅ…」
くぐもった声もまた、実にエロティックだった。
残り時間は20分といったところか。楽しい時間は過ぎるのが恐ろしく早い。俺は何度も何度も秘肉をかきわけた。
かきわけるたびに、由奈は苦悶の表情を浮かべる。タオルを噛んでいて、ちょっとこっけいなはずなのに、由奈の顔はあくまでも美しい。
こんなキレイな人妻と関係を持てるしあわせを噛みしめながら動かしていたら、さっきの口撃の余韻が残っていたのか、爆発の予兆が下腹部に、アッという間に再生されてしまった。
「ごめん、俺、もう…」
前もって謝った。俺だけ満足することをつまり、由奈は快しとしないからだ。もちろん、謝ったからといって、はいそうですか、というわけにはいかないのだが……。
「ダメ、ダメだよぉ! 1人だけずるい!」
タオルから口を離した由奈が俺を非難する。申し訳ないと心の中で謝りながら、俺は彼女の腰をつかんでスピードを上げた。
「アッ、すごい、ヤバイっ、あぁっ、アッ!」
そして――。
由奈が腰を浮かせ、その体をひときわ大きくのけぞらせ、反り返った白くて細い首が目に入るのと同時に俺は決壊した。
欲望が濁流となって流れ出す。由奈の首よりももっと白いモノが大量に流れ出ていった。
やがて潮が引くように快感が去り、代わりに訪れた倦怠感の中、時計を確認すると残り時間は10分ほどだった。
「ごめん……」
もう1度謝ったら、由奈は瞳を閉じたまま小刻みに身体を震わせていた。彼女もちゃっかり達したようだ。この人妻はオーガズムのタイミングを調整できるのだろうか……。
そして彼女はコンビニへ
夜明けにうずく女が去っていく。
またね、と機嫌よく手をふり、コンビニパートへと向かう。
いつも寂しい瞬間だ。
この逢い引き、俺が主導権を握っているように見えるかもしれないが、握っているのは完全に彼女の方だ。
気が変われば、旦那との仲が回復すれば、彼女は俺から去っていってしまうのだろう。
いずれ訪れるかもしれない未来に怯えながら、俺は出社の準備をするためクローゼットを開けた。
肘の破けたランニングウェアがハンガーからずり落ちた。(おわり)
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